「口座残高32ドル」の自称ミリオネア シンガポールで日本人から約880万円を騙し取ったタイ人男
「100万ドル以上の資産がある」——そう見せかけていた男の、本当の銀行残高はわずかS$32.23だった。
新明日報が報じたところによると、シンガポールで裕福な実業家を装い、投資話などを持ちかけて金銭を騙し取ったとして、31歳の日本人とタイ人ハーフ男性 ダイチ・カムクラシン氏が起訴された。
はろあじ
しかも被害者の一人は、シンガポールで飲食店を経営する日本人男性だった。
男は「米国株の特別な投資案件がある」と持ちかけ、S$88,000(約1,000万円)を受け取ったという。
そして返済を求められると
今度は残高S$1,025,151.25(約1億2,000万円)と記載された偽の銀行明細まで用意。
ところが実際の口座残高は
S$32.23。
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ダイチ シンガポール 詐欺 ピンクダイヤモンド リシャール 日本人詐欺師
日本人飲食店経営者に近づいた「常連客」
事件の発端は2023年4月。
被害に遭った日本人男性は、シンガポールで新しい日本食レストランの開業を計画していた。
ダイチ氏は男性がすでに経営していたレストランの客で、飲食業界の経験もあるとされていたことから、二人は新店舗を共同で立ち上げる可能性について話すようになった。
ところが翌5月、ダイチ氏から別の話が持ち出される。
それが、「アメリカ株の特別な投資案件」だった。
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ダイチ氏は、これは自分を通さなければ参加できない「限定的な投資機会」だと説明。
S$70,000〜S$100,000を投資すれば、30%のリターンが得られると持ちかけた。
さらに、その利益を家族の生活費に充ててもいいし、新しいレストランの資金として使うこともできると説明したという。
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S$88,000をUSDTで送金
話を信じた日本人男性と妻は、2023年5月18日にダイチ氏とランチをし、S$88,000を投資することに合意。
契約では元本に30%の利益を加え、来月の6月30日までに返還される予定だった。
夫婦は保証人付きの電子契約書を求めた。
するとダイチ氏は、自身の「ゴッドマザー」であるHoという人物が保証人になると説明したみたいだ。
しかし、ここでも細工が行われていた。
ダイチ氏は過去の書類からHo氏の
- 氏名、
- NRIC番号、
- 電子署名、
- 会社印
をiPadで切り抜き、新しい契約書にコピー&ペースト。
本人の許可なく、保証人付きの契約書を偽造していた。
その日の午後、日本人男性はS$88,000を現金で引き出し、同額相当の暗号資産Tether(USDT)を購入。
USDTはダイチ氏が指定したウォレットへ送金された。そして、そのウォレットはダイチ氏本人のものだった。
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約束の日になっても、お金は戻ってこない
返済期限の2023年6月30日。
しかし、元本も30%の利益も戻ってこなかった。
夫婦が返済を求めても、ダイチ氏はさまざまな理由をつけて支払いを先延ばしにしたという。
そして9月25日。
ようやくダイチ氏との面会にこぎつけた夫婦に対し、ダイチ氏は、「返済する資金はある」と説明。
その証拠として見せたのが、OCBC銀行の口座明細だった。
そこには「Global Wealth Account」として、S$1,025,151.25 の残高が表示されていた。
日本円に
すれば約1億円規模だ。
これだけあればS$88,000の返済など問題ない――そう思わせるには十分だっただろう。
しかし、この銀行明細そのものが偽物だった。
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「100万ドルあります」→ 実際はS$32.23
実際には
ダイチ氏の口座は「Global Wealth Account」層のではなく、普通の層の口座だった。
そして2023年9月30日時点での実際の残高は、S$32.23 だったという。
夫婦は偽造された銀行明細を信じ、その場でS$88,000の返済契約を締結。
その後、ダイチ氏は2023年11月までにS$52,000を返済した。
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しかし全額は戻らず
妻は2024年1月21日に警察へ通報。
残額については、事件から約2年後となる2026年2月11日に全額返済されたという。
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しかも以前には「Richard Mille」でも…
被害者は
今回の日本人夫婦だけではなかった。
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ダイチ氏をめぐっては、2020年にも高級時計リシャール・ミルを使った別の事件があった。
2020年8月、ダイチ氏はある女性に対し、自分はジュエリーやレストラン事業を手掛ける「Lu Vn’C Pte Ltd」のCEOだと説明。
その後、女性はダイチ氏を通じて、US$241,000 相当のRichard Milleに投資することになった。
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女性は2020年10月、2回に分けて全額をダイチ氏側の口座へ送金した。
ところが――
Richard Milleは購入されなかった。
ダイチ氏はその資金の一部、US$50,000を別の自身の銀行口座へ移し、個人的な支出に使用したとされている。
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「金持ちに見える」と「金持ち」は別物
ダイチ氏は最終的に、背任、詐欺、文書偽造、詐欺目的の文書偽造など計5件の罪で起訴され、そのうち3件について有罪を認めた。
裁判では
ダイチ氏が現在破産していることも明らかになっている。
検察側は25.5〜31カ月の禁錮刑と、Richard Mille事件の被害女性に対するS$67,000の賠償命令を求めている。
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判決は2026年7月29日に予定。
今回の事件で特に印象的なのは、単に「投資詐欺だった」という点だけではない。
シンガポールで投資話を持ちかけられた時、相手の肩書きや羽振りの良さだけで信用してはいけない――そんなことを改めて感じさせる事件である。
はろあじ
※本記事は報道などの資料として報じられた内容をもとに構成しています。金額の日本円換算は目安です。
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