彼氏に撮影を許可した。でも、その動画が流出したら?シンガポールではどうなる?
恋人や夫婦の間で、性行為を動画で撮影する。
↓
その時は、二人とも同意していた。
↓
別れたあと、彼氏がその動画を友人に送った。あるいはSNSに投稿してしまった。
「撮影には同意していたから、犯罪にはならない?」
シンガポールでは、そうとは限りません。
ポイントは、「撮影への同意」と「他人に見せる・送ること」は別ということ。

恋人とのプライベート動画が流出。犯罪!シンガポールでは最大5年の禁錮も
まず結論:無断で流出させると最大5年の禁錮も
シンガポールでは、一定の条件を満たして親密な映像を本人の同意なく配布した場合、犯罪となる可能性がある。
罰則は、
- 最大5年の禁錮
- 罰金
- むち打ち
- またはこれらの組み合わせ
です。
そして、実際に流出させなくても、「流出させる」と脅す行為も同じ規定の対象になり得る。
流出動画、どんな場合に犯罪になる?
単に「動画が誰かに見られた」というだけで、自動的に成立するわけではない。
重要なのは主に次の点です。
① 親密な画像・動画であること
性行為をしている様子や、性器、女性の胸などが写った画像・映像などが対象になり得る。
② 本人が配布に同意していないこと
ここが特に重要。
例えば彼女が、「二人で見るためなら撮っていいよ」と撮影に同意していたとしても、
- 「友達に送っていい」
- 「Telegramに載せていい」
- 「SNSに公開していい」
という同意までしたことにはなりません。
③ 意図的に配布したこと
例えば、
- 元彼女の動画を友人にWhatsAppで送る。
- Telegramのグループに投稿する。
- SNSにアップロードする。
- 第三者に転送する。
こうした行為が問題になり得る。
④ 相手が屈辱、不安、苦痛を感じる可能性があると知っていた、またはそう考える理由があったこと
例えば、別れた腹いせに元彼女の性的な動画を友人たちへ送ったケースなどは、この点が問題になるのである。

「友達1人に送っただけ」なら?
ネット上に一般公開しなければ大丈夫、というわけでもない。
例えば、
彼女と撮った動画を、別れたあとに友人1人へ送った。
これも、本人の同意なく親密な映像を第三者に配布したのであれば、問題になり得る。
つまり「流出」というのは、必ずしも何万人もの人が見られる状態にすることだけではない。
友人への送信やグループチャットへの投稿でも注意が必要です。
「別れるなら動画を流す」と言ったら?
当たり前だけど、実際に送っていなくても問題になる可能性があり。
例えば、
- 「別れるなら動画を公開する」
- 「言うことを聞かなければ家族に送る」
- 「会社にこの動画を送る」
といったケース。
そのため、「結局送らなかったから犯罪ではない」とは限りません。
そもそも撮影にも同意していなかったら?
これは別の問題も出てくる。
例えば、彼女は性行為には同意していたものの、彼氏がスマホを隠して本人に知らせず撮影していた。
この場合、流出以前に撮影そのものがvoyeurism(盗撮等)として問題になる可能性があり。
法律では、一定の条件のもと、本人の同意なくprivate actを撮影する行為などについて、
- 最大2年の禁錮
- 罰金
- むち打ち
- またはこれらの組み合わせ
となる可能性があり。
そして、その動画をさらに第三者へ流出させれば、無断配布についても別途問題になる可能性があるのである。
夫婦なら自由に使える?
夫婦であっても考え方は同じ。
例えば、
夫婦で性行為を撮影した。
↓
妻も撮影には同意していた。
↓
しかし離婚や別居の際、夫がその動画を友人に送った。
この場合、
「妻だったから」
「撮影には同意していたから」
というだけで、無断で配布してよいことにはならない。
重要なのは、その映像を第三者へ配布することに本人が同意していたかなのだ。
「撮影OK」と「流出OK」は別
この法律で一番覚えておきたいのは、ここ。
撮影に同意した
→ 配布にも同意した、とは限らない。
恋人だった
→ 別れた後に自由に送っていいわけではない。
夫婦だった
→ 配偶者の性的な動画を自由に公開できるわけではない。
ネットに公開していない
→ 友人への送信でも問題になり得る。
実際には送っていない
→ 「流出させる」と脅す行為も問題になり得る。
さらに、そもそも撮影自体に同意していなければ、撮影そのものについて別の犯罪が成立する可能性もあり。
スマホでは「撮る」「保存する」「送る」は数秒でできること。
しかしシンガポールでは、「撮影への同意」と「その映像を他人に見せることへの同意」は、まったく同じものではない。
※本記事はシンガポール法に関する一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法律相談ではありません。

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